ショパールは2018年7月からすべての腕時計やジュエリーをエシカルゴールドで製造すると決定しました。
このニュースを見て、「エシカルゴールドってなんだろう?」と思ったので記事にしました。
ニシトキコ
ショパールの人気コレクション「ハッピーハート」から、エシカルゴールドを使用した「ハッピーハートツイスト」が2018年に登場しました。
今回はショパールが使用することを決めたエシカルゴールドについてご紹介します。
ショパールについて
ショパール(Chopard)はスイスの高級時計とジュエリーのメーカーです。
ダイヤモンドがクルクルと動く「ハッピーダイヤモンド」シリーズが人気ですよね。
カンヌ国際映画祭のパルム・ドールのトロフィーはショパールが製作しています。
ショパールがすべての時計とジュエリーをエシカルゴールドで製造すると発表
ショパールは2018年7月からすべての時計とジュエリーをエシカルゴールドで製造すると決定しました。
2018年には、エシカルゴールドを使用した初のジュエリーコレクション「ハッピーハート ツイスト」を発売します。
「ハッピーハート ツイスト」コレクションのらせん状のバングルは、太古から女性の手首を彩ってきたマルチプルブレスレットをイメージしているとのこと。
バングルとリングが展開されます。
ニシトキコ
エシカルゴールドとは
エシカルゴールドのエシカル(ethical)とは、「倫理的な」という意味です。
特定の機関から認証を得ているとエシカルゴールドと名乗れるというものではなく、それぞれのメーカーが考える倫理的に配慮された方法で発掘・供給されたゴールドを指すようです。
倫理的な配慮が求められる場面は、労働環境や賃金、環境保護などです。
もっと言えば、きちんとした基準がないメーカーの場合には、貴金属や宝石が供給される段階で、児童労働を含む不適切な労働環境や不当な賃金、環境に悪影響を及ぼす方法が使われているかもしれないということです。
ショパールでは、以下のようなルートで2018年7月からゴールドを調達するとしています。
ショパールの定義する「エシカルゴールド」とは、環境および社会のベストプラクティス基準に則った、責任ある産地から調達したゴールドです。
2018年7月より、ショパールのゴールドは、そのトレーサビリティの確実な2つのルートのうち1つから調達されます:1. スイス・ベター・ゴールド・アソシエーション(SBGA)、フェアマインドそして公正取引スキームに参画する小規模鉱山採掘者が採掘したゴールド。
2. 責任ある宝飾のための協議会(RJC)認証の精製所とのパートナーシップによる「責任ある宝飾のための協議会流通加工管理」ゴールド。
さまざまな機関や認証名がありますが、まとめると適正な労働環境や賃金、環境保護がなされている産地からゴールドを仕入れるということのようです。詳細を知りたい方はショパールのウェブサイトをご確認ください。
倫理的に適切な状況で採掘され供給されたかどうかをジュエラー自身で管理していく重要性が増しているのかもしれません。
今後はもっとエシカルジュエリーが広がっていくのかも
倫理的な配慮が必要なのはゴールドだけではなく、他の宝石も同様です。
2018年4月に、ゴールドとダイヤモンド業界がIBMと提携し、ブロックチェーンネットワークを使って宝飾品の原料を追跡するシステムを開発するとIBMが発表しました。
IBMの発表はこちら▼
IBM News Room 「Consortium of Jewelry Industry Leaders Announce TrustChain, First Global Blockchain Initiative to Bring Full Transparency to Consumers」
消費者はジュエリーがどのような過程を経て自分の手元に来ているのか気にしていて、ジュエリーに関わる業界も消費者の求めに応じて原料の出自をはっきりさせようとしているということですね。
ショパールのような大きなメーカーがエシカルゴールドを使用していくと表明したことからも、今後多くのジュエラーがエシカルジュエリーを作り、そしてそのことをアピールしていくことになるんだろうと思われます。