東京都庭園美術館で「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」の展示を見てきました。
ニシトキコ
アール・デコの時代の美術作品が展示されているのですが、何が気になって見に行ったかというと、やはりジュエリーの展示があるからです。
しかもヴァンクリーフ&アーペルやショーメのアール・デコの作品です。
それはぜひ実物を見てみたい!と思い行ってきました。
ヴァンクリーフ&アーペルは、現在のブティックの内装などにもアール・デコ様式を取り入れています。
現在もアール・デコを脈々と受け継いでいるということは、ヴァンクリーフ&アーペルにとってアール・デコが重要な要素であるということなんだと思います。
であれば、1920年代当時のヴァンクリーフ&アーペルの作品を直接見る機会を逃してはいけない!ですね。
目次
「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」の概要
「EXOTIC×MODERN アール・デコと異境への眼差し」では、アール・デコ時代のアフリカやアジアを題材とした絵画や彫刻や服、そしてジュエリーなどが約85点展示されています。
開催場所は東京都の白金台にある東京都庭園美術館です。
開催期間は2018年10月6日(土)〜 2019年1月14日(月・祝)です。
展覧会の名前が長いので、記事のタイトルでは「アール・デコ展」と書きました。他の展覧会名と紛らわしくなっていないといいのですが。
展示されていたジュエリーについて
ヴァンクリーフ&アーペルのアール・デコ時代の作品

ヴァンクリーフ&アーペル「ターバン留めのブローチ」ポストカード
上の写真は美術館で購入したポストカードで、実際に展示されていたジュエリーです。
ヴァンクリーフ&アーペルの「ターバン留めのブローチ(1924年)」です。
プラチナ、エメラルド、サファイヤ、ルビー、ダイヤモンドで作られています。
当時はホワイトゴールドではなくプラチナなんですね。ほかの展示品も白い金属はプラチナが使われていました。
そのほかに同じようなエジプトモチーフでブローチとブレスレットが展示されていました。
1922年にエジプトでツタンカーメン王の墓が発見され、パリにエジプトブームが巻き起こり、ヴァンクリーフ&アーペルがブームに乗ってエジプトをモチーフとしたジュエリーを多く製作したようです。
ジュエラーがジュエリーの題材にするほど、一大ブームになったというのがおもしろいです。

ヴァンクリーフ&アーペル「中国風の卓上時計」ポストカード
上のカードは「中国風の卓上時計(1930年)」です。
ターコイズに中国風の着物を着た人と植物が彫られています。
どのように時間を確認するのかわかりませんでした。裏にはネジ巻きがあったので、時計らしくみえましたが。
アジアをモチーフにした作品がほかにもありました。
「アヒルの卓上時計(1930年)」、「中国の風景のラペルウォッチ(1924年)」、「中国人奇術師の懐中時計(1927年)」が展示されていました。
「中国人奇術師の懐中時計」は、中国人奇術師との題名ではありますが、日本の裃(かみしも)のような着衣を身に着けた人物が描かれていました。
そして「中国人奇術師の懐中時計」はなんと「ブッダ」とも呼ばれたそうです。
当時のフランスからのおおざっぱなアジアの捉え方に、1920年代の時代を感じました。
ショーメの作品
ショーメからは、「シガレット・ケース(1925年)」、「リップスティック(1925年)」、「パウダー・コンパクト(1925年)」、「ペルシア風装飾のシガレット・ケース(1930年)」が展示されていました。
シガレット・ケースは、第一次世界大戦後に新しく加わったアイテムだそうです。
どんな人がショーメのシガレット・ケースを使っていたのでしょうか。
東京都庭園美術館本館は旧朝香宮邸
東京都庭園美術館の本館は、重要文化財の旧朝香邸です。

東京都庭園美術館本館、旧朝香邸
旧朝香邸は1933年に建てられた宮家のアール・デコ様式の館であり、今回の「エキゾティック×モダン アール・デコと異境への眼差し」の展示内容にピッタリの場所です。
展示品はもちろん魅力的ですが、展示してあるお屋敷自体も見ごたえバツグンです。
それぞれの展示室も実際に使われていた部屋なので、壁や家具を鑑賞するのも楽しいです。

東京都庭園美術館庭園
「庭園美術館」というくらいなので、庭園もきれいです。
私は時間の関係で庭園は回れなかったので、次回行く機会があれば拝見したいです。
おわりに
ジュエリーがメインの展覧会ではありませんが、アール・デコの時代の貴重なジュエリーが見られるいい機会になりました。
アール・デコのファッション、家具、絵画、彫刻など幅広いジャンルの作品が展示されていて、当時の時代の空気に触れられた気がしました。
美術館そのものも鑑賞できるというのもおもしろいので、興味のある方は行ってみてください。